ゴージャスなピアノリサイタル

昨日、牛田智大くんのピアノを聴きに行ってきました。

20160327牛田智大リサイタル

ひょこひょことステージに現れたスーツ姿のピアニストは、幼さが残る学生の風貌で、そこには素直さと清潔さが漂っていた。
椅子に座ると俯いてぐっと集中したかと思うと、柔らかに腕を動かして鍵盤を鳴らし始めた。

最初の曲、グリンカの歌曲「ひばり」は初めて聴いた。繊細な響きの向こうに雄大なロシアの風景が重なるような気がした。それにしても、しょっぱなから華麗な技巧たっぷりの曲を見事に演奏。
次のプレトニョフ編曲の「くるみ割り人形」の数々もオーケストラで聴くものとはずいぶんと異なる、技巧満点のピアノ・バージョンなのにびっくり。タランテラ、トレパークだったか、大音量の迫力にも驚いた。
間奏曲の後で、終わったと間違えて拍手し出すお客さんたちに、智大くんは笑顔でちょっと手を上げて制し、すぐに次を演奏を続けた。あまりにダイナミックな演奏だったから拍手したくてたまらなかったのかも。でも、集中が途切らされちゃ困るよね。
それと、一部の人、拍手し出すの早すぎ。いくら弾き終わったからといって、まだ奏者の意識が曲から戻ってきていないうちから拍手って。。静かに終わる曲は特に、音が消え入る余韻を味わいたいんだけどなぁ。


3つ目の演目が、楽しみにしていたショパンのバラード第1番。
それまでの華麗すぎる編曲ものの後で、すごくほっとした。もちろん、技術も重要な難曲なんだけど、やっぱりショパン。ピアノの詩人と言われる所以に納得。
智大くんのピアニッシモが透明感を持ってこちらにしっかり届いてきた。
ルバートもかけすぎず、テンポの揺れが程よくて心地よかった。(時々、悦に入りすぎた奏者が弾く揺らしすぎテンポのショパンを聞かされるけど、あれはちと不快だ。)
熱い第一主題と静穏な第2主題の対比がとても美しい、素直な演奏が素晴らしかった。

次は度肝を抜かれた。
リスト ―死の舞踏― 「怒りの日」によるパラフレーズS.525
鍵盤左端を数本の指で弾く超大音量。鍵盤右端に駆け巡る超ハイスピードの細かいタッチの連続は、ほとんどグロテスクと言いたいほど。時々現れる「ディエスイレ、ディエスイラ」のフレーズが恐ろしく不気味。これはたぶん、ホールでしか聴きたくない。小さな身体のどこからあの大音量を叩くことなく引き出せるのか、驚くばかり。多重音と超絶技巧の’リスト音楽’から、時々、逃げ出してホールを出たい気分になった。

休憩をはさんで、はじめはクライスラーの「愛の悲しみ」、「愛の喜び」。
ヴァイオリン曲なので、ラフマニノフ編曲のものを演奏してくれた。
まぁ、軽い小品と、寛いでいたらとんでもない。技巧満載の、結構長い曲だった。テーマが来ないと「愛の悲しみ」でも「愛の喜び」でもない、まるで別品。「ラフマニノフさん、やり過ぎじゃない?」と思ったのは、私だけかな。
それにしても、こうも弾き続けられる智大くんのテクニックとダイナミックレンジにびっくり。16歳という若さがなせる技でしょう。

次の「パガニーニの主題による狂詩曲より 第18変奏曲」は、とても耳なじみよく、やっぱりロシアの雄大な自然風景が浮かんでくる。フィギュアスケーターが踊っている景色もよぎってきて困った。
この曲はあっという間に終わってしまった。

プログラム最後は「展覧会の絵」ホロビッツ編。
これまた度肝も抜かれる超超絶技巧に大音量の迫力。10曲にもなる大曲で、ときどき戻ってくるプロムナード以外、聴いているほうも気が抜けないスケールの大きな演奏だった。よくもまぁ、体力気力を要する難曲ばかりをプログラムに並べたもんだと、智大くんの16歳という若さと意欲、サービス精神に感心しきり。

1度のカーテンコールでさっと座って弾きだした1曲目アンコールは、シューマンのトロイメライ。
よく聴くのより遅めのテンポにのってくる、ピアニッシモのクリアな響きが心地よかった。
2曲目はエルガーの「朝の挨拶」。爽やかにリサイタルをしめくくってくれた。

モスクワ音楽院・ジュニア・カレッジで研鑽中の牛田智大くん、恐るべし!
今後さらに、どんなピアニストに成長していくのか楽しみです。

とても贅沢な時間を満喫しました。

一方、我ままなもので、ゴージャス迫力演奏のあと、モーツァルトやバッハの小品、はたまたビル・エバンスとかのあっさりジャズピアノが急に恋しくもなりました。

        Thank you for coming~♪

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プロフィール

ぶるどねーじゅ

Author:ぶるどねーじゅ
はじめまして。
家族とわんこが大好き、
自然や植物が大好き、
Classic&Jazzが好き。
サザンも大好き。
信州に暮らしております。

14歳11ヶ月のままの
愛犬シャーロック
(1998.5.2~2013.4.16)
の穏やかな眼差しを感じながら
庭作りをしております。

風任せ、気ままにつづります。

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